アップルとVR・AR
2016年2月2日
フィナンシャル・タイムズや米ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディアの報道によると、米アップルはこのほど、仮想現実と拡張現実の研究分野で第一人者と言われる人物を雇い入れたという。
■ VR・AR研究のバージニア工科大学教授
その人物とはバージニア工科大学のコンピューター科学の教授で、同大学のヒューマンコンピューターインタラクション・センターのディレクターを務めていたダグ・ボウマン氏。
これらの報道によると、同氏はこの分野で数々の賞を受賞した経歴を持つ。また同氏が率いた研究グループは、昨年米マイクロソフトが実施した、立体映像用ヘッドマウントディスプレイ「HoloLens(ホロレンズ)」の活用アイデア募集コンテストで、10万ドルの賞金を受け取った5つのグループの1つという。
ボウマン氏はバージニア工科大学で今年8月までの研究休暇を取っていたが、このほどアップルに移籍したとフィナンシャル・タイムズなどは伝えている。
ボウマン氏の研究者としてのプロフィールによると、同氏は3次元(3D)ユーザーインターフェースの設計と、仮想環境の有益性に関する研究が専門で、その研究範囲は、仮想現実(VR:virtual reality)と拡張現実(AR:augmented reality)の両分野に及ぶという。
このうち前者の仮想現実は、目の前にある実際の場面から離れ、完全にデジタル世界の中に身を置くという技術。
これを可能する機器としては、米フェイスブック傘下のオキュラスVR(Oculus VR)が手がけるヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」が知られるが、オキュラスVRの技術を使った韓国サムスン電子の「Gear VR」などもある。
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後者の拡張現実は、目の前の現実の場面にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術。こちらは、米グーグルの「Google Glass」や、マイクロソフトが今年1~3月期に発売する予定のHoloLensなどがある。
■ VR、AR、AI企業を相次ぎ買収
報道によるとアップルは、ボウマン氏を雇い入れたことを認めたものの、その理由などの詳細については明らかにしていない。
しかし、同社が昨年、拡張現実技術を手がけるドイツのメタイオ(Metaio)という企業を買収していることから、アップルの動向に詳しい米パイファー・ジャフリーのアナリスト、ジーン・マンスター氏は、アップルは眼鏡型電子機器のような拡張現実デバイスを開発しているのではないかと予測している。
マンスター氏によると、こうした機器はやがて「iPhone」に取って代わる可能があるという。
このメタイオは、独フォルクスワーゲンのプロジェクトから派生した企業で、拡張現実のアプリケーションを開発するためのソフトウエアや、テーブルの表面などを大型タッチスクリーンとして利用するためのウエアラブル技術を手がけていた。
またアップルは、先頃、人工知能(AI)技術を手がける米エモティエント(Emotient)を買収したとも報じられた。
このほか、同社は昨年、モーションキャプチャーを使い、人間の表情をリアルタイムでアバターなどのデジタルフィギュアに反映させる技術を手がけるスイスのフェースシフト(Faceshift)という企業を買収している。
アップルが拡張現実を研究
2016年1月30日
以前から拡張現実の研究に動きを見せていたアップル社が商品化に向けて研究を本格化させているようです。
【シリコンバレー時事】英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は29日、米アップルが極秘の開発チームを組織し、映像の世界に入り込んだような体験ができるバーチャルリアリティー(VR、仮想現実)端末の開発を進めていると報じた。
主力のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」以外の収益源拡大を目指した動きとみられる。
VR端末は娯楽、教育、医療など幅広い分野で活用が期待されている。フェイスブックが買収したオキュラスは3月下旬、ゴーグル型端末を発売する予定。ソニーも今年前半にゲーム機「プレイステーション4(PS4)」に対応した端末を投入する。
YAHOOニュースより引用